「PLAY ON」を通して前景化したい創造性をどのような言葉で表現すべきか、と模索するなかで松井利夫さんという陶芸家の活動を知った。端材や解体材を燃料に、使われなくなった陶器を回収し焼き直す。「art&Archaeology(考古学)」という言葉のもとで、弥生時代の水田遺跡の底土を焼き上げる。さらには、職人さんのつくった素焼きの蛸壺を農道の真ん中に無人販売所を設置して売っているという。さらに松井さんは、京都造形芸術大学で教鞭を取り「教育はアートです」と語り、自らのこれからの展望を「ネオ民藝」と名付けている。 「つくる」ことの根源的な意味へのアクセスを感じる松井さんの活動と発言を知れば知るほど、本誌で紹介する方々の共通項である「根源へと近づくほど獲得できる自由な創造性」について話してみたいと思った。
そんな想いを胸に彼のアトリエへと向かうと、隣の葡萄畑のご夫妻と談笑しながら僕らを迎えてくれた。  

鷲田清一『素手のふるまい アートがさぐる〈未知の社会性〉』朝日新聞出版

松井氏が提唱するエネルギー自立型の集団的なものづくりを基本とする芸術運動