人はなぜ笑うのかを調べてみると「緊張と緩和」「概念と実態のズレ」「期待と現実の不一致」など多くの哲学者の言葉が並ぶ。自身の実経験を考えてみても、笑いには、ある一定の想定が肯定感ととも裏切られる感覚が含まれるように思う。想定内はもちろん、圧倒的想定外でも笑いは起こらない。想定外から想定内へ変化を許すあらたな許容、が笑いには必要なように思う。 木ノ戸昌幸さんの著書を読んだとき、彼はその想定の内外のラインの上で遊べる人だと感じた。その視座から、彼が主宰するNPO法人スウィングで、障害がある人もない人も一緒になって行われる様々な試みを捉えると、常識と非常識、善と悪、美と醜など、2つに区別されるさまざまな概念の境界を遊んでいるように見える。もちろんそれは、障害の〈ある〉〈なし〉の境界線を射程に入れてのことだろうという思いを抱きながら、上賀茂にあるスウィングの活動拠点を訪ねた。