あらゆる価値観や領域を超えて、人が放ってはおけないような出来事こそが、社会を劇的に、でも静かに変えるように思う。例えば、音楽のように。
野村誠さんが実践する音楽は、そんな音楽そのものを変えようとする音楽だ。小学校3年生で現代音楽家になろうと決めた少年は、常に「作品(work)」という概念から自由になる方法を、「演奏(play)」の力を最大限に発揮する方法を求めて続けている。様々な共同作曲手法を生み出し、子ども、老人たち、動物たち、演劇、ダンス、映像、記録、自然環境、畑、相撲、瓦、そして北斎の版画までと作曲している。音楽が前提としてきた様々なものを、音楽によって飛び越えていく姿がそこにはある。
そして、「遊び」という言葉を、いつか「作曲する」という意味にしたい、という野村さんのご自宅に伺った。