常々、ビジネスとはアートになれると思っている。これまで人が見たこともなかった商品、経験したことがなかったサービス、それらの体験を通じて社会の価値観を変えていけることが、ビジネスにはできる。企業社会の日本において、「規模の大きな組織のなかで芸術的実践をしている人は誰か?」ということを考え、オムロンの竹林一さんに行き着いた。竹林さんは、現在の「PASMO」の前身となる磁気カードによる乗車カードシステム「パスネット」を事業化したことで知られる。その後も、オムロン関連の様々な会社の代表取締役を歴任しながら、新事業や事業再建を成功させてきたと聞く。と同時に、「あの人は変わっている」と、多数の推薦があった。グローバル企業の役職にありながら、「変わっている」という評判を持つ竹林さん。そんな彼がどんな景色を見てきたのか、その先に何を見ているのか、を聞きたい。そしてなにより、「組織内で創造性を発揮する」とはどういうことなのかを掴みたい。そう思いながら、京都駅のすぐそばにある、オムロン本社を訪ねた。