買い替え需要を維持するためにも、売り場での取り扱いを確保するためにも、小さなアップデートとモデルチェンジを繰り返す短命化した商品達に、私たちは囲まれて生きている。100年を超えて使われる道具。今身辺を見渡してそのような品が一品でもあるだろうか。八木隆裕さんが6代目を務める開化堂の茶筒は、そのように使われる品だ。開化堂では、今でも100年前の茶筒の修理を行っているという。そして、100年間変わらないその茶筒のデザインは、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館のパーマネント・コレクションにも認定されている。その「変わらない」ということを続けていくなかで彼が宿した言葉を聞いてみたいと思った。さらに強く興味を惹かれたのは、Kaikado Caféをはじめとする昨今の展開が「THE 伝統工芸」という世界観を軽やかに、しかも国内外を超えて理解を得る本質さを内包したイメージへとアップデートさせている、と感じれるからだった。